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人間の脳は複雑かつ高度なシステムを持っています。科学が発展した今日であっても、まだまだ解明されていない部分が多々存在します。
未知の領域が大きいだけに、今後の発展の可能性が高い分野でもあります。脳科学の研究成果は、自然科学のみならず、心理学、人文科学、社会科学など、多岐にわたる分野に展開されていくことが期待され、脳科学研究の意義は極めて大きなものです。
メンタルヘルスに関しても、脳科学の研究は大きな貢献をもたらすと考えられます。精神疾患の発症メカニズムの解明と治療法・予防法の開発、脳機能を理解することでストレスの対処法の確立など、研究の成果は様々な局面で応用できると予測されます。
現在、世界的に脳に関する研究が進められています。我が国でも文部科学省が中心となり、積極的に脳科学研究の推進が図られています。
【文部科学省が推進するプロジェクト】
■脳科学委員会従来、我が国の脳の研究は個別の分野において、小規模に分散して行われていました。この状況の下では、先端的研究機器の整備、最新の情報の流通などがまちまちであり、ややもすれば、研究成果に立ち遅れが発生してしまう可能性もありました。
脳科学研究の発展のためには、幅広い分野が結集して総合的に研究開発を推進していくことが必要です。
この考え方から、関係機関が有機的に連携し、脳に関する研究開発の総合的、計画的な推進を図るために、平成9年、脳科学の各専門分野、人文・社会科学分野の研究者から構成される「脳科学委員会」が設立されました。
当初は、内閣府の下に開催されていましたが、その後の省庁再編を経て、現在は文部科学省の管轄となっています。
年に3〜5回のペースで不定期に開催され、最新の脳科学研究について討議がなされています。
社会に貢献する脳科学の実現を目指す、文部科学省の研究開発事業として、平成20年度より開始されたプログラムです。現在、脳科学を分野に応じて7つの課題に分け、それぞれで高度な研究を推進しています。
メンタルヘルスに関しては、「課題F 精神疾患の克服を目指す脳科学研究」にて、精神・神経疾患の発症のメカニズムを明らかにし、早期診断、治療、予防法の開発につなげるための研究を行っています。発達障害、うつ病、脳老化(認知症)の3つの領域ごとに研究チームが構成されています。
【脳科学研究におけるメンタルヘルス関連の研究成果】
2014年度の研究成果の一例は以下の通りです。
・「前部帯状回の体積はうつ病への認知行動療法の効果と予測する」(京都大学)
・「うつ病における脳脊髄液中エタノールアミン濃度の減少」(国立精神・神経医療研究センター)
・「双極性障害のリスクである12q13領域の遺伝子多型はうつ状態と関連する;遺伝環境相互作用解析」(藤田保健衛生大学)
・「セロトニンと不安の関係解明に前進」(北海道大学)
・「反すう思考は難治性うつ病における灰白質異常に関与している」(広島大学)
・「うつ病と他者の痛みに対する脳活動について」(京都大学)
・「睡眠不足による眠気は恐怖のサブリミナル信号に対する扁桃体活動を増強する」(国立精神・神経医療研究センター)