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双極性障害(躁うつ病)にデノボ点変異が関与

2016年6月

5月24日 理化学研究所は、双極性障害(躁うつ病)に、
両親にはなく子で新たに生じる「デノボ点変異」が関与していることを明らかにしました。

うつ状態と躁状態を伴う「双極性障害」は、人口の1%弱の人々がかかる疾患で、
「統合失調症」と並ぶ二大精神疾患の1つとされています。

双極性障害は、うつ状態と社会生活に支障をきたす躁状態を伴う「双極I型障害」と、
うつ状態と社会生活にはあまり支障をきたさない程度の軽躁状態を伴う
「双極II型障害」の2種類に分類されます。

通常、子のゲノムは、精子に含まれる父親のゲノムの半分と
卵子に含まれる母親のゲノムの半分を受け継ぎます。
ところが、精子、卵子が作られる際にエラーが生じて、
子のゲノムに両親が持たない変異が生じる場合があります。
これを「デノボ変異」と呼んでおり、ヒトは平均して、
ゲノムのうちタンパク質をコードしている部分である
全エクソンに1個弱のデノボ変異を持っています。

また、デノボ変異は父親が高齢になるほど増えることや、
「自閉症スペクトラム症」や統合失調症では
“タンパク質配列を変化させるデノボ変異”のなかでも
タンパク質の機能を失わせる“機能喪失変異”が多いことが明らかになっています。

理研の研究者を中心とする共同研究グループは、
双極性障害患者とその両親のトリオ79組において、
全エクソン(ゲノムのうちタンパク質をコードしている部分)の塩基配列を解読し、
その特徴について調べました。
※エクソンとは全遺伝子情報のうち特定の情報、タンパク質配列を持つ部分を指します

その結果、一般人口ではタンパク質配列を変化させるデノボ変異がほとんど起きない遺伝子に、
双極性障害患者では、タンパク質配列を変化させるデノボ変異、
タンパク質機能を喪失させるデノボ変異が多いことが分かりました。

他に行った大規模データ解析の結果も含めると、
自閉スペクトラム症や統合失調症と同様に、
双極性障害、特に症状が比較的重い群(双極I型障害と「統合失調感情障害」)では、
タンパク質配列を変化させるデノボ変異が発症に寄与していることが示されました。

今後、どの遺伝子の変異が双極性障害の原因となるのかを特定することで、
双極性障害の原因解明、治療法、診断法の開発につながると期待できます。

理化学研究所 http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160524_3/

 


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