メンタルヘルス対策・EAPのカウンセリングストリート

企業・組織とメンタルヘルスの両面に精通した視点でEAPコンサルティングを推進します
貴社の実情に即した、実践的で効果の上がるEAP・メンタルヘルス対策を実現します

プライバシーマーク
トップ > 導入事例 > あらゆるサポートを推進してきたが・・・

事例 3 あらゆるサポートを推進してきたが・・・

休職・復職対応のポイントはあるのだろうか? 完全復帰を実現させることは可能なのだろうか?

表面化している、していない。 また、その人数の多少はあるものの、ほとんど全ての企業においてメンタルヘルスに問題のある社員が存在します。 通常社員が1,000名いれば10数人はメンタルヘルス障害が原因で休職したり通院したりしていると言われています。 職種では営業職や開発職に多いと言われることもありますが、メンタルヘルス障害の発症率は仕事の形態や進め方、職場環境等の要因に大きく影響されるため、一概には言えません。 メンタルヘルス障害の発生を未然に防ぐために、ストレスチェックテストの実施を社員に促したり、カウンセリング窓口を設置したり、メンタルヘルス関連の講習会を開いたりすることも大切ですが、それだけで発生を完全になくすことは難しいものです。

そして、何か起きたときには、その対応方法に関して都度頭を抱えてしまうものです。「これで良いのかと迷いながら、ひとまずその場対応をしてしまっている。 誰に相談して良いのかわからない。産業医もメンタル専門ではないし・・。」という声をよく頂きます。

管理職向けメンタルヘルス研修の実施、メンタルヘルスチェックテストの実施、更には、カウンセリング窓口の設置といった全社統一のメンタルヘルス対策の実施と並行して、メンタルヘルス障害が発生したときに、その個別ケースに対して適切な対応が出来る体制を整えておくことが必要です。

 

業種 : ハードウエアメーカー  / 従業員数 : 1,754名 


 
 


最近メンタルヘルス障害に陥る社員の数が増えてきた。 現在、メンタルヘルス障害で休職中の社員は21名(平成15年4月当時)で、休職にまではいたらなくとも現場から人事にメンタルヘルスに問題を抱える社員のことでちょくちょく相談がくる状況。 現場では本人の対応に加えて周囲への対応に苦慮していることが多く、更には、 事業所が全国にまたがっているために、人事は本社だけでなく全国の事業所へ出向き、本人や現場の上司をフォローしている。 復職を控えている社員も数名いるが、復職後すぐに休職前のように現場復帰させて良いのか、具体的にどのような仕事をどれくらい準備すれば良いのか悩んでいる。 復職予定者のうち1名は過去に休職と復職を繰り返している社員で、おそらく今度もうまくいかないのではないかと危惧している。

過去復職した社員のうち、完全復帰出来たのは3分の1程度。残りの3分の2は復職がうまくいかず、結局辞めてしまったり、再び休職したりで、復職が成功するのは本当に難しいと感じている。復職対応は現在の大きな課題である。

メンタルヘルス対策を円滑に進めようと人事がいろいろな外部セミナーに参加しているが、内容は概して一般論ばかりで当社のケースに活用出来るものは少ない。 また、産業医を社内に呼んで管理職向けにメンタルヘルス関連の講習会を開いたものの、メンタルヘルスに関する基本的な知識理解に留まり、今、実際の現場で起きている個別ケースへの対応には役立たなかったようだ。 一般論ではない当社の実情に即した対策や目の前で起きている問題への対策を支援してくれる所はないものか。



 
 


まずH社のメンタルヘルス対策の実施状況と発生している個別ケースの状況を把握。個別ケースで早急に対応が必要なものへの支援に取り掛かることに。並行して、会社全体のメンタルヘルスケアシステムで、不足している部分を確認、新たなトータルシステムをプラニング。



 
 


営業第1グループの社員(35歳)、Sさんがメンタルヘルス障害で通院中。Sさんに関しては、2年ほど前から体調が優れなかったり、休みがちな日が続いたりして人事からずっとフォローを続けていた状況。 Sさんは3年前の異動で福岡支店へ転勤。福岡支店での営業成績は非常に良く数年後には本社へ戻る予定だったが、体調を崩したことをきっかけに本人の希望で急きょ本社へ戻ったのが、昨年。 新しい部署で再スタートをしたが、体調が優れないまま無理な残業を続けた結果、メンタルヘルス障害に陥り精神科への通院を開始した。現在のところ休職にまでは至っていないが、現場の上司も同僚も、「任せた仕事がきちんと出来ない。 勤務態度にも問題がある。 本人の様子がおかしく周囲が仕事にならないことがある。どうしたものか。」などと人事へ頻繁に相談を持ちかけていた。



 

[ 対応策 1 ]

 

 「本人向けカウンセリング」
 


初月は週に1度、2ヶ月目以降は2週に1度を目安に本人向けに対面カウンセリングを実施。当初本人の病状は深刻で、精神科から処方される薬もきちんと飲んでいなかった。自殺の危険もあり、初期のカウンセリングではまず本人の状態を落ち着けることに専念。本人の状態が落ち着いた時点で、休職はせず勤務を続けながら、通院とカウンセリングを継続して完全復帰を目指すことに。 現在は、カウンセリングと通院、共に月に1度のペースになり完全復帰まで後一歩といったところ。

 



 「上司向けカウンセリング」

   


上司より職場の状況や仕事内容など、詳細を共有し、上司として対応可能なサポート内容を確認。その後、Sさんとのカウンセリングを実施した上で、Sさんが開示して良いといった情報のみ上司に共有。Sさんがメンタルヘルス障害に陥ってしまった経緯と現状などを説明。結果、本人に対し、絶対にしてはいけないこと(症状悪化の原因となる対応)とその他注意点を共有。 業務量、業務内容、勤怠管理、メンバーへの説明方法なども説明。Sさんの完全復帰に向けて、上司と周囲の支援が不可欠であることを説明し、協力を仰ぐ。その後もSさんへの対処対応方法について、メール、面談で上司を継続サポート。また、Sさんの件で上司自身も大きなストレスを抱えており、その状態を緩和するためのカウンセリングも実施。

 



 「同僚向け勉強会」

   


周囲の社員の多くは、Sさんに対してどのように接して良いのかわからず、出来れば係わり合いになりたくない、更には、仕事をちゃんとできていないSさんに対して何でサポートをしなければならないのか、といった雰囲気で、メンタルヘルス障害に対する誤解や偏見も多少あったため、メンタルヘルス障害に関する正しい知識と情報も併せて伝え、Sさんに対する対応で協力をして欲しい点を依頼。 個別の質問を受けながら、注意点を共有。

 

 「人事・経営者向けコンサルティング」
   


今回の件における、就業規則、給与規定、評価制度などの運用についての助言、 その他、発生しうるリスクへの対応方法について最新の判例、法令をもとに助言。

 

 「全体の連携した動きとして」
   


本人・上司向けカウンセリング、同僚向け勉強会、人事向けコンサルティングがうまく連動して、本人の状況は徐々に改善。 個別ケース対応支援を始めてから4ヶ月後、Sさんはほぼ通常通りの業務がこなせるようになりました。 その後は1月に1度のカウンセリングでフォローを続けているが、今のところ再発の兆しはない。メンタルヘルス障害に陥ってしまった社員が完全復帰を果たすためには、病院へ通院し薬物療法を受けるだけでは不十分なことが多く、通院と並行して、業務遂行支援を適切に行えるカウンセラーによるコンサルティングが必要。 加えてその本人を支える現場上司に対するサポートや周囲の同僚に対する勉強会も行うべきところ。それらが連動して始めて完全復帰を実現出来るケースが多い。反対に、それらの連動なく、本人に対するカウンセリングや本人の努力だけでの復帰は難しい。

 

[ 対応策 2 ]
 

 「カウンセリング窓口の設置」
   


個々のケースの対応に人事が全国の事業所を走り回っていたため、その状況を緩和するために、全国対応のカウンセリング窓口を設置。現在も必要に応じて人事が全国の事業所へ赴くが、本人や上司がカウンセリング窓口も活用するようになったため人事への要請回数は減ってきている。

 

[ 対応策 3 ]
 

 「ストレスチェックテストの実施」
   


メンタルヘルスヘルス障害に陥る社員を少しでも減らすべく、ストレスチェックテストを実施し要フォロー者(メンタルヘルス障害に陥っている、もしくは陥る可能性の高い社員)を抽出、その社員に対し専門家への受診を促すことに。結果、68名の要フォロー者(厚生労働省:職業性ストレス簡易票による基準)を抽出。上記68名の社員に対し、カウンセラーから直接専門家への受診を促した。必要に応じて評判の良い病院の紹介やカウンセラーの紹介等も行った。

 

 

[ 今後の可能性 ]

   


ラインケアマニュアル
セルフケア研修の実施
ストレスチェックテストの定例化
・ 部署・拠点ごとの環境改善サポート

 

当社ではメンタルヘルスに係わる個別の疑問やトラブルの解決サポートも行っております。
くわしくは →こちら