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軽度認知障害における認知機能低下の加速因子を同定

2018年10月

◆ 日本人の軽度認知障害において認知機能低下の進行を促進、抑制する因子を特定した。
◆ 認知機能の悪化を促進する因子としては、女性であること、そして女性ではさらに軽度の腎機能低下があることが見出された。この傾向は日本人女性においてのみ見られた。一方で教育年数の長い男性では悪化が抑制された。
◆ 女性では特に高血圧などの生活習慣病の管理が重要である事が示唆された。

 

J-ADNI 研究では、234 名のものわすれを主体とする軽度認知障害の被験者の認知機能を、最長 3 年間追跡しました。そのなかで、認知機能の低下に関与する要素を様々な角度から検討し、性差、教育歴がその進行に対して影響をもつことを見いだしました。女性の軽度認知障害被験者の認知機能は男性に比べて速く悪化しました。教育年数の長い男性の被験者では悪化は緩徐でした。軽度認知障害の背景にはアルツハイマー病以外の疾患も含まれますが、J-ADNI 研究で女性が早く悪化する原因は、アルツハイマー病の方が多く含まれていたためではありませんでした。女性の軽度認知障害の方が悪化し易い要因として、慢性腎臓病のグレードが高いことが見出されました。その理由として、長年の高血圧や動脈硬化によって脳の小血管の障害を来たすことが、認知機能障害の進行に関係することを想定しました。

本研究の結果からは、日本人では高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の改善が軽度認知障害から認知症への移行の抑制に重要であり、その効果は特に女性に顕著であると考えられます。

 

“Effects of sex, educational background, and chronic kidney disease grading on longitudinal cognitive and functional decline in patients in the Japanese Alzheimer’s disease neuroimaging initiative (ADNI) study “
Atsushi Iwata, Takeshi Iwatsubo, Ryoko Ihara, Kazushi Suzuki, Yutaka Matsuyama, Naoki Tomita, Hiroyuki Arai, Kenji Ishii, Michio Senda, Kengo Ito, Takeshi Ikeuchi, Ryozo Kuwano, Hiroshi Matsuda, Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative (ADNI) and Japanese ADNI
Alzheimer’s and Dementia: Translational Research & Clinical Interventions
DOI 番号: 10.1016/j.trci.2018.06.008

 

        ※プレスリリースより一部抜粋して掲載しております


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