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セクハラ発言に対する会社の懲戒処分は妥当−最高裁、二審判決を覆す

2015年3月


「セクハラ」発言を行った男性管理職らに対する会社側の懲戒処分の是非をめぐる裁判で、最高裁は2月26日、出勤停止などの処分は重すぎるとした二審判決を破棄し、改めて会社の処分は妥当とする判決を下した。

訴えを起こしていたのは、大阪市の第三セクターに勤務する男性管理職2人。男性管理職らは、女性従業員に対し、1年以上にわたって卑猥な発言や、女性を侮蔑するような言葉を繰り返し発しており、会社は女性従業員の申告を受けて、男性管理職らに対し、出勤停止、降格などの処分を行った。これに対し、男性管理職らは懲戒権の濫用であるとして、処分の取り消しを求めていたもの。 二審でも管理職らのセクハラは懲戒処分に値するとは認めていたため、最高裁では「出勤停止、降格」という処分の重さの妥当性が主な争点となった。

二審判決では、会社側の処分を無効とした根拠として、管理職らの発言に対して、事前に会社側からの指導や懲戒方針の説明が不足していたこと、被害者から明白な拒否の姿勢が示されていなかったことを挙げている。
今回の最高裁判決では、そもそも、男性管理職らの発言は極めて不適切で執務環境を著しく害するものであると明確にしたうえで、本来、セクハラを撲滅しようとする会社の取り組みを理解し、部下に対して指導すべき立場にありながら、1年以上も下品な発言を繰り返していた男性管理職らは、職責や立場に照らして著しく不適切であると指摘。会社側からの指導などが不足したことは斟酌すべきとした二審の判断を退けた。
また、被害者から明白な拒否の姿勢が示されていなかったことについて、被害者が内心は著しい不快感などを抱きながらも、職場の人間関係の悪化を考慮して、加害者に対する抵抗ができなかったことも考えられるとし、この点を鑑みても、男性管理職にとって有利な事情があったとは言えないとした。
従って、会社の処分は妥当であり、懲戒権の濫用ではなく、有効なものであると判断した。

今回の最高裁判決では、セクハラに対する事業者の処分の正当性を明確にしたことで意義があったと言える。セクハラ撲滅に向けて、改めて、事業者、労働者それぞれが注意を払わねばならないことを認識する必要がある。

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