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2015年11月
10月20日、理化学研究所の研究グループは、
ヒトのうつ病診断基準を満たすモデルマウスの作製に成功したと発表した。
現在、うつ病や躁うつ病の治療薬は、全ての症状に有効であるとは言えず、
画期的な新薬の出現が望まれている。
しかし、創薬の進展を阻害する要因の一つとして、
ヒトのうつ病などと同じような症状を示す動物モデルが存在しないことがあった。
今回、研究グループは、
ミトコンドリアの機能異常によって起きる遺伝病「慢性進行性外眼筋麻痺」が、
うつ病や躁うつ病を併発する確率が高いことに注目。
その原因遺伝子の変異が、神経のみで働くマウスを作製した。
このマウスの活動を観察すると、
うつ病の診断基準(興味喪失、睡眠障害、緩慢な動作、社会行動障害)を満たしているほか、
抗うつ薬投与の効果の出現や、副腎皮質ホルモンの増加など、
ヒトのうつ病患者と同様の生理学的な変化も見られた。
また、モデルマウスの脳を調べたところ、
脳の中心部にある視床室傍核に異常なミトコンドリアDNAが蓄積されており、
この部位がうつ病の発生に関連している可能性も明らかとなった。
今回、ヒトのうつ病などと類似した症状を示すマウスの作製に成功したことで、
今後、うつ病などに対する新たな診断方法、
治療薬の開発に大きな進歩が出てくることが期待される。