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2013年1月
JST課題達成型基礎研究の一環として、藤田保健衛生大学総合医科学研究所の研究チームは、抗うつ薬の投与によって正常な成体マウスの大脳皮質の神経細胞を増やすことに成功したと発表した。
これまで正常な(脳梗塞などで損傷されていない)状態の成体の大脳皮質では、神経細胞が新たに生まれることはないと考えられていたが、研究グループが抗うつ薬(フルオキセチンというSSRI)を正常な成体マウスに投与して調べたところ、何も与えないマウスに比べて約19倍、L1-INP細胞の増殖・分化を促進させ、抑制性神経細胞を再生させることに世界で始めて成功、つまり神経細胞が増えていたという。
神経細胞が増えていたのは、大脳皮質のほとんど全ての領域(前頭皮質、運動皮質、体性感覚皮質、視覚皮質)にわたり、また、新しい神経細胞の約80%が、抑制性神経伝達物質であるGABA(ギャバ)を発現していたという。
近年の研究でうつ病や統合失調症などの精神疾患についてGABAが減少することが明らかになってきていることから、今後、神経細胞の増殖をターゲットとした新しい予防・治療法の開発や創薬につながることが期待される。
正常な成体マウスの大脳皮質で、神経細胞を新生させることに成功−藤田保健衛生大学
【一言コメント】
メンタルヘルス障害の場合、脳内神経伝達物質のやり取りの不備をサポートすれば、
自然治癒力が最大限に働くようになるため、抗うつ薬の投与は非常に有効な措置となります。
本研究成果によると、
「抗うつ薬は、メンタルヘルス障害のみならず、正常な大脳皮質でも神経細胞を増やす」 とのこと。
今後、大脳皮質の保護・再生、
うつ病などの精神疾患の新しい予防・治療法の開発に期待できるといいます。
未だに 薬には頼らない、気の持ちようだ などと誤解している社員はいないでしょうか?
正しい知識・情報の不足は、症状悪化のリスクが増えます。
メンタルチェックなどの新たな枠組み導入の義務化についても考えている時期とは思いますが、
是非この機会に、現場管理監督者のメンタル教育を徹底してください。