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職場内コミュニケーションの状況と不満等解決に関する調査−労働政策研

2008年1月

仕事の進め方や人間関係等について従業員の7割が不満を持つ一方、相談を受付ける整備が遅れていることが独立行政法人、労働政策研究・研修機構の調査でわかった。

 

従業員の7割に不満。不満の第一位は「仕事の進め方、割り当て等の業務遂行上の問題」

従業員が現在抱えている不満の有無については、ほぼ7割(67.8%)の従業員が何らかの不満があるとしている。不満の中身は、「仕事の進め方、割り当て等の業務遂行上の問題に関する不満」(46.5%)「職場内人間関係の不満」(27.1%)、「賃金、一時金に関する不満」(26.9%)、「評価、査定に関する不満」(26.9%)、「残業時間、休日、休暇等に関する不満」(21.2%)の順となっている。

苦情、不満の把握方法として、企業は「管理職への相談」、従業員は「先輩職員・同僚」を重視

従業員の苦情や不満を把握・解決するための仕組みとして、企業がもっとも重視するのは、「管理職への相談」(55.9%)で、ついで「人事労務部門による相談対応」(43.5%)、「個人業績評価における面談」(40.2%)が続く。
一方従業員は、「先輩職員・同僚への相談」(41.3%)をもっとも重視し、「面談、自己申告制度など不満を伝える機会」(37.9%)、「管理職への相談」(35.1%)といった社内の仕組みが続き、ついで「社外の機関や専門や専門家への相談」(25.1%)の順となっている。

管理職の5割が「自分の立場で解決できるかわからない」と感じている

課長クラス以上の管理職は、従業員や不満の相談に応じることに、41.6%が「積極的に取り組みたい」、39.9%が「なるべく取り組みたい」と回答する一方、相談に応じる上での課題については、53.4%が「自分の立場で解決できるかわからない」としている。

従業員の6割が上司に相談の経験。相談しない理由は「解決見通しの低さ」など

従業員の58.6%が上司に相談した経験があり、その結果についても約6割が納得している。一方、上司に相談したことがない理由として、「適切に解決されるとは思わないから」(35.6%)、「人間関係が悪くなりそうだから」(16.1%)、「相談しにくい雰囲気」(15.5%)などの問題をあげる者も存在。

企業規模が小さいほど「相談窓口」等の整備が遅れている

従業員の苦情・不満を受付ける「相談窓口」を設けている企業は49.4%。規模別にみると、従業員1000人以上の企業の73.9%が「相談窓口」を持つのに対し、100人未満では29.9%と、企業規模が小さいほど設置の割合が低い。

従業員の1割が相談窓口の利用経験。7割の従業員が結果に納得

従業員調査で相談窓口が「ある」とした従業員のうち、実際に相談窓口を「利用したことがある」と回答した従業員は11.5%で10人に1人。
企業調査で最近3年間の相談窓口における苦情・不満の解決状況を苦情、不満の内容ごとにみると、「相談により解決したものが多い」と「制度の手続きを経て解決に至ったものが多い」を合わせた比率は、いずれの苦情、不満においても7割を超えており、苦情、不満の解決に当たっての相談窓口の有効性が高いとする企業の認識が窺える。
苦情・不満の内容ごとにみた解決の状況「相談により解決したものが多い」と「制度の手続きを経て解決に至ったものが多い」の合計は以下のとおり。「セクハラ、パワハラに関する不満」(89.5%)、「懲戒、降格などの処分に関する不満」(88.8%)、「仕事の進め方、仕事の割り当て、仕事内容等の業務遂行上の問題に関する不満」(86.2%)、「転勤、配置転換、出向等に関する不満」(83.9%)、「職場内人間関係の不満」(79.2%)等。

行政など外部からの支援措置。「情報提供、研修」に期待

企業調査で行政など外部からの支援措置について聞いた設問では、「苦情処理、紛争処理のための判断基準に関する情報提供」(67.5%)、「苦情処理、紛争処理の制度事例などの情報の提供」(50.9%)、「苦情処理制度の担当者を育成するための研修の実施」(45.3%)の順で主要な回答となった。

 

(参考)
調査名: 「職場におけるコミュニケーションの状況と苦情・不満の解決に関する調査」
調査期間: 平成19年7月10日〜同年7月23日
調査方法: 郵送による調査票の配布・回収
調査対象:
1.企業調査: 全国の従業員100人以上の民間企業10万社(株式会社帝国データバンクのデータベースから業種・規模別に層化無作為抽出、農林漁業除く)
2.従業員対象: 企業調査対象企業に1企業あたり10人(管理職3人、一般従業員7人)の調査票配布を依頼した。
有効回収数: 企業調査: 1,791社(有効回収率17.9%)
従業員調査: 10,851人(有効回収率10.9%)
調査データ

 

【一言コメント】

職場におけるコミュニケーションの状況と苦情・不満の解決に関する調査結果。

企業は苦情・不満の把握方法として「管理職への相談を重視」していますが、従業員の示す実際の数値は35.1%と、企業側の期待以下であることがわかります。
その原因として、
@管理職の5割が「自分の立場で解決できるかわからない」と感じている
A上司に相談したことがないと答えた約4割のうち、35.6%が「適切に解決されると思わない」と感じている
ことが挙げられるようです。
@に関しては、企業が管理職への相談を期待するのであれば、権限の与え方や各処遇が現状のままで良いか一度ご確認されてみては如何でしょうか。
Aに関しては、管理職に対するマネジメント研修の対応策が考えられます。

また、調査では、相談窓口の有効性や外部からの支援措置としての研修などを期待する一方、企業規模が小さいほどそれらの措置がなされていない現実も浮き彫りとなっています。
研修や相談窓口を設けることで、従業員の精神衛生は保たれ、企業・個人双方にとって働きやすく最もパフォーマンスが期待できる環境となるのではないでしょうか。

弊社では、企業様ごとご要望に応じて研修や相談窓口の設置をご提案致します。この機会に一度自社のご状況を確認されてみては如何でしょうか。

 

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