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ナルコレプシーの病因治療効果を確認 −目覚めを制御する低分子医薬の新たな効果−

2017年6月

ナルコレプシーは、日中の耐えがたい眠気や、
感情の高まりなどにより身体の筋肉が脱力するカタプレキシー(1)などを主な症状とし、
患者の社会生活全般に深刻な影響を及ぼす睡眠障害である。
脳内視床下部に存在し、睡眠覚醒を制御する オレキシン(2)産生細胞が脱落し
オレキシンが欠乏することで生じることが明らかとなっているが、
その治療は薬物による対症治療と生活指導のみであり、
根本的な治療方法が未だにないのが現状である。

マウスを使った研究では、
2種類あるオレキシン受容体(1型と2型)の両方を欠損するとナルコレプシーが発症するが、
これらの受容体のうち、1 型受容体のみの欠損では睡眠覚醒の異常は見られない。
一方で、2型受容体を欠損するとナルコレプシー症状が起こる。
このことから、睡眠覚醒の制御においては 2 型受容体がより重要であると考えられている。
マウスの脳内にオレキシンを直接投与することでナルコレプシーの症状は改善されるが、
静脈や経口などによる末梢投与では
オレキシンが血液脳関門(3)を通過することができないため効果はなく、
ヒトへの応用の大きな妨げとなっている。
そのため、オレキシンと同様の機能を示し、
末梢投与でも血液脳関門を通過し治療効果を発揮する
オレキシン受容体作動薬(4)の創出が試みられてきた。
2015年に、長瀬博教授らのグループが
オレキシン受容体作動薬として機能する化合物 YNT-185 の創出に成功した。

本研究では、
YNT-185 のナルコレプシー症状緩和作用をナルコレプシーモデルマウスで詳細に評価・解析し、
ナルコレプシーの根本治療薬としての可能性を検討した。

研究グループは、YNT-185 がオレキシン 2 型受容体に対する選択的作動薬として働くことを確認した。
睡眠覚醒への影響を調べるために、
YNT-185 をマウスに脳室内投与して脳波測定による睡眠解析を行なったところ、
活動期の覚醒時間が延長することが明らかとなった。
作動薬の効果が消失したあとに、過剰に眠るような行動は見られなかった。
腹腔内、静脈、経口などの末梢投与でも同様の効果が見られたことから、
YNT-185 は血液脳関門を通過することが確認された。
一方、オレキシン受容体を欠損したマウスでは
この化合物を投与しても作用が見られなかったことから、
YNT-185 はオレキシン受容体を介して作用することが確認された。

またカタプレキシーを人為的に生じさせたマウスに YNT-185 を投与したところ、
カタプレキシーが抑制されることが示された。
作動薬を活動期(暗期)に 3 時間毎、3 晩続けて使用した場合も、

効果は減弱することなく症状を抑制した。 さらに、ナルコレプシー患者は体重が増加する傾向にあるが、
同化合物をマウスに1日1回、14 日間連日投与すると、体重の増加が抑制されることがわかった。

今回の研究結果により、
オレキシン2型受容体作動薬がナルコレプシーの病因治療薬として有効であることが示された。
さらに、ナルコレプシー以外の睡眠障害、
例えばうつ病症状による過眠症、薬の副作用による過剰な眠気、
時差ボケやシフトワークによる眠気を改善するための創薬にもつながる。
今後は概日リズム睡眠障害モデルマウスなどを用いた評価を行なう予定であるとしている。




(1)柳沢らのグループにより発見された、神経伝達を司るペプチドのひとつ。視床下部に存在するオレキシン産生神経から分泌され、脳の広い領域に作用する。
(2) ナルコレプシーの症状のひとつで情動脱力発作と呼ばれる。感情の高まりなどにより、全身または身体の一部の筋肉が脱力する。
(3)様々な有害物質から脳組織を守るため、血液から脳内への物質の移行を制限する機能。脳のエネルギー源となるアミノ酸やブドウ糖などの必須物質は脳内に選択的に輸送されるが、ペプチドやタンパク質などそれ以外の多くの物質は、このバリア機能が存在するため脳内に自由に入ることができない。
(4) 受容体に結合し、生体物質と同様の細胞内の情報伝達系を作動させる薬物。作動薬が受容体に結合すると受容体の構造が変化し、生体応答を引き起こす。

 

ナルコレプシーの病因治療効果を確認

 


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