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睡眠・覚醒制御の分子ネットワーク解明への道を拓く 新規遺伝子の発見

2016年12月

私たちが人生のおよそ三分の一を費やす睡眠は、誰もが毎日行なう身近な行動でありながら、
未だにメカニズムや役割をきちんと説明できていない現象である。

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)の船戸弘正教授と柳沢正史機構長/教授らの研究グループは、
この謎に真正面から挑み、睡眠覚醒制御において重要な役割を果たす2つの遺伝子を見出したことを発表した。

今回の研究では明らかな睡眠異常を示すマウス家系を樹立してその原因遺伝子変異を同定し、
原因遺伝子変異がどのようなしくみで睡眠・覚醒を変化させるかを調べた。
研究手法としては、具体的な作業仮説を置かず、ランダムな突然変異を入れた多数のマウスをスクリーニングする方法を採用した。
結果、覚醒時間が大幅に減少する「 Sleepy変異家系」と、
レム睡眠が著しく減少する「Dreamless 変異家系」を樹立することに成功し、
Sleepy 変異マウスでは Sik3 遺伝子変異、Dreamless 変異マウスでは Nalcn 遺伝子変異が
それぞれの睡眠、覚醒状況に関係していることを見出した。

またSik3 遺伝子はショウジョウバエや線虫など他生物においても睡眠様行動を制御していることを明らかしている。

これらは、睡眠・覚醒制御において中心的な役割を果たす遺伝子を世界で初めて見出した成果である。
本研究により、Sik3 と Nalcn という2つの遺伝子が睡眠・覚醒制御に関わる新たなキープレイヤーであることが世界で初めて示された。

これらの遺伝子と睡眠との関連性はこれまで全く知られておらず、
睡眠学の概念を大きく変えるだけのインパクトを与えることは間違いないと述べている。
今後は、SIK3 や NALCN タンパク質を手がかりとして、睡眠と覚醒の切り替えや、
ノンレム睡眠とレム睡眠の切り替えに関わる細胞内シグナル伝達系、
さらには「眠気」の分子メカニズムの全貌が明らかになることが期待される。

それにより睡眠・覚醒ネットワークの全容解明が進めば、将来的には睡眠障害や関連疾患等の解決にも貢献できると考えられる。

 

睡眠・覚醒制御の分子ネットワーク解明への道を拓く 新規遺伝子の発見 (筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS))

 


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