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2013年2月
国立精神・神経医療研究センターは2月、
睡眠不足時に不安や抑うつが生じやすくなるメカニズムを明らかにしたと発表した。
研究グループは、健康成人男性14人を被験者として、
1日約8時間睡眠を5日間続けた後と、約4時間半睡眠を5日間続けた後に、
さまざまな感情を表す表情写真を見た際の脳活動をfMRIで測定。
その結果、睡眠不足時には、
ネガティブな情動刺激(他人の恐怖表情)に対する左扁桃体の活動が有意に亢進し、
一方ポジディブな情動刺激(幸せ表情)に対する扁桃体の活動性は変化しなかったことから、
睡眠不足時には、ネガティブな情動刺激に対してだけ反応しやすくなることが分かった。
睡眠不足時にネガティブな情動刺激に対して扁桃体が過剰反応するのは、
その活動を抑える働きをする前帯状皮質と扁桃体との機能的結合が減弱することに由来。
機能的結合が減弱するほど左扁桃体の活動が亢進し、
不安と混乱が有意に強まり、また抑うつが強まる傾向が観察されたという。
国立精神・神経医療研究センター・三島和夫部長らの研究グループが、
睡眠不足で不安・抑うつが強まる神経基盤を解明
【一言コメント】
睡眠不足時に不快な情動刺激(感情ストレス)を受けると、熟眠時よりも扁桃体の
活動が亢進し、不安や抑うつが高じやすくなるものと推定できることが明らかになったとのこと。
睡眠(脳の休養)が不足すると、脳が疲れ、
精神症状がおこるということが本研究によっても明白です。
メンタルヘルス障害は気の持ちようではなく脳の疲れです。
寝る間を惜しんで仕事をしている社員などは、メンタルヘルス障害の発症リスクが高まります。
発症予防のためにも、是非部下の生活習慣や業務遂行状況を把握してみてください。
*参考EAPマニュアル:
規則正しい生活リズム・睡眠リズムをつけさせて発症予防しましょう
発症予防のための業務管理を行いましょう)